ギャンブル依存症は治る
当初は、これらを使うと楽しく、嫌なことから逃れることができます。ここで、私たちの脳はアルコールや薬物、ギャンブルなどを使うと嫌なことから逃れられることを学習します。そのため、不安や苦痛を伴う状況になったときに「今すぐこの苦痛や嫌な気分を切り替えたい」と渇望し、他の大切な物事(家族や友人との関係や仕事等)のことを忘れて、その対象のことで頭がいっぱいになってしまうことはめずらしくありません。
ギャンブル依存症は慢性で再発性の病気です。ですからギャンブル問題がなくなるかどうか、だけでなく、治療を続けられるか、ということも、とても大切です。
当院のギャンブル依存症回復プログラムに参加された患者さんのうち、治療を継続される方は約60%、ギャンブル問題が止まっている方は約50%です。
これは、「アルコール依存症」に特有の問題ではありません。覚せい剤や大麻などの薬物の摂取をやめたくてもやめられなくなる「薬物依存症」、パチンコや競馬などをやめたくてもやめられなくなる「ギャンブル等依存症」も同様の問題に至ることがあります。
これにより、日常生活や社会生活に支障が生じることがあります。例えば、うつ病を発症するなどの健康問題や、ギャンブル等を原因とする多重債務や貧困といった経済的問題に加えて、家庭内の不和などの家庭問題、虐待、自殺、犯罪などの社会的問題を生じることもあります。ギャンブル等依存症は、適切な治療と支援により回復が十分に可能です。しかし、本人自身が「自分は病気ではない」などとして現状を正しく認知できない場合もあり、放置しておくと症状が悪化するばかりか、借金の問題なども深刻になっていくことが懸念されます。島根県消費者センターでは、ギャンブル等をする上での注意事項や対処に困った場合の相談窓口をお知らせしています。相談の内容に応じ、これらの窓口をご利用ください。
ギャンブル依存症になると、日常生活をおくるなかで、ギャンブルのことがよく頭に浮かんできたり、ギャンブルをしていないと、“ギャンブルをしたい”という気持ちがどんどん大きくなって、その気持ちが抑えられなくなったりします。その結果として、本人に加え、家族等の身の周りの方の生活にも悪影響を及ぼすようになります。
ギャンブル依存症は約100人に5人の割合で存在し、決して珍しい病気ではありません。適切な支援や治療を受けることで、失ったものを取り戻し、回復することができます。
ギャンブル依存症は病気と認められにくく、本人の意志や性格の問題で自己責任と思われがちです。しかし、実は、ギャンブルにはまる「依存症」は、ギャンブルしか楽しめなくなったり、目先の快楽に飛びつきやすくなったりする、自分の意志では止められない脳の仕組みが出来上がっているのです。
さらに、家族が、誰にも相談できず、アルコールによる暴言や暴力、ギャンブルによる借金の肩代わりなどに翻弄され、本人以上に心身が衰弱するケースが多くみられます。
依存症にかかると、アルコールや薬物、ギャンブルなどを何よりも優先して考えるようになり、日常生活に様々な悪影響を及ぼすようになります。
人が依存する対象は様々ですが、代表的なものにアルコール・薬物といった特定の“物質”の摂取やギャンブルなどの“行動”があります。このような特定の“物質”の摂取や“行動”に対して、「やめたくてもやめられない」状態を「依存症」といいます。
ギャンブル等にのめり込みやめたくてもやめられない、自分でコントロールができなくなる精神疾患です。 ギャンブル等依存症は借金の問題だけでなく、うつ病の発症などの健康問題、さらに自殺などの社会問題を引き起こすこともあり、日常生活や社会生活に支障を生じることがあります。
ギャンブルをやめたいけどなかなかやめられない、或いは周りからギャンブルをやめるように言われるけどなかなかやめられない方々にとって、やめるためのヒントを一緒に学んでいくプログラムです。
ギャンブル等で悩みや心配ごとがある場合は、保健医療関係機関、自助グループや消費生活相談窓口へご相談ください。
「SWITCH」では、ギャンブルがなかなかやめられない原因を、脳からみた場合、行動面からみた場合、感情面からみた場合、思考面からみた場合など、様々な側面から検証していきます。そして、それらを明らかにしながら、具体的な対策を立てていきます。
国民の間に広くギャンブル等依存症問題に関する関心と理解を深めるため、ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年10月5日施行)第10条において、毎年5月14日から5月20日まで「ギャンブル等依存症問題啓発週間」と定められています。
依存を止め続ける(断薬,断酒,断ギャンブル等)ことで回復ができます。そのためには止め続けている仲間を作ることが大切です。自助グループへ通うことが回復を支えるために必要です。