ギャンブル依存症は アルコール依存症や薬物依存症と同じ病気です

ギャンブル依存症は、アルコール依存症や薬物依存症と同じ病気です。ご自身の意志や根性だけでは回復することは困難です。当センターでは、ギャンブル依存症の方への外来治療を提供しています。また、ギャンブル依存症専門治療プログラム「SWITCH」を2016年より開始しています。

①負けを取り戻す(負け追い)、これは重篤な症状で、取り返そうと考えることは、もはやギャンブル依存症になっていると考えられます。

ギャンブル依存症になる原因は何か?

公式病名は、世界保健機関(WHO)では「病的賭博」、米国での最新の診断基準の病名は「ギャンブル障害」です。また、アルコール・薬物依存症との同質性が分かり易いので「ギャンブル依存症」の病名も社会でよく使われます。

同じ依存症に苦しまれる患者さん同士で話し合うこと、助け合うことが、依存症からの回復にとても効果的だと言われています。ギャンブル依存症にもギャンブラーズアノニマス(GA)という自助グループがあります。専門医療機関での治療と自助グループへの参加を組み合わせると、治療効果はより一層高まります。

どちらかひとつでも“はい”であればギャンブル依存症の可能性があります。

ギャンブル依存症に苦しまれる方の中には、うつ病や不安障害、発達障害などの精神障害を同時にお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。精神科医による診療ではギャンブル問題を少しでも小さくするためのアドバイスに加えて、これらのような精神障害に対する治療も同時に行います。

しかしギャンブルに夢中になりすぎて、家庭や学業、仕事に影響が出てしまっているのに、借金をして、周囲に嘘をついてまでギャンブルを続けてしまうことがあります。このような状況になることをギャンブル依存症(ギャンブル障害)といいます。ギャンブル依存症になると、苦痛を感じながら、自分を責められながら、大切な家族、友人の信頼を失いながらも、ギャンブルを続けてしまい、自分で止められなくなってしまいます。日本人の約5%が、一生のうちに一度はギャンブル依存症で苦しまれていることがわかっています。

回復のための大事な点を箇条書きにしてみます。
1) 依存症を診療する医療機関か、精神保健福祉センターに相談に行く
まず恐れずに、専門家のアセスメントを受けてみましょう。ギャンブル依存症だから薬を飲むとか、直ちに入院するとかいうものではありません。問題の本質は何かを、専門家の力を借りて明らかにし、十分な説明を受けてください。
2) 全てを正直に明らかにする
この時点で全てをオープンにすること、特に債務は些細な額も正直に明らかにすることが再生の鍵です。借金の一切合切を明らかにし、司法書士や弁護士を活用して対策を進めると楽になるはずです。
3) 半信半疑でよいから回復プログラム(治療プログラムやGAミーティング)に参加してみる
問題なのは「ギャンブル依存症」なのですが、自分がそうとは中々受け容れられないものです。ギャンブルが病気?などと思うでしょう。半信半疑で良いから回復プログラムに参加して何が得られるのかを体験してください。特に、他の経験者や回復者が参加する集団のプログラムがお薦めです。
4) 1年ほどはギャンブルをやらないことにこだわり、プログラム参加をとにかく続ける
実際に参加すると精神的、身体的な調子も良くなり、「自分は軽い」「もう自分の力で治せる」などと考えて、プログラムや自助グループに行きたくなくなります。ギャンブル依存症の多くの人が、もう参加しなくてよい理由を探します。そこで早期にプログラムから離れた人は、問題が再燃しやすくなります。まずは、1年位を目標に参加を続けましょう。
5) 自助グループを活用する
3年後くらいに「治った」と考え、ギャンブルをしてしまうこと(「スリップ」と呼ぶ)があります。放置すると、すぐに再燃します。これを防ぐには、自助グループに参加し、自分のこころのうちを吐き出す習慣をもち、仲間と問題を分かち合うのが一番です。GAの仲間の体験が役に立ち、不要なスリップも避けることができます。
終わりに)
依存症はいつ爆発するか分からない休火山にも似ています。自然界の火山の爆発を防ぐのは困難ですが、自助グループに無理なく長期に参加することで“依存症火山”の爆発を予防し続けている人は世界中にたくさんいます。

ギャンブル依存症は慢性で再発性の病気です。ですからギャンブル問題がなくなるかどうか、だけでなく、治療を続けられるか、ということも、とても大切です。

当院には毎月およそ5~10名ほどのギャンブル依存症患者さんが新たに受診されており、(1)精神科医の診療、(2)ギャンブル依存症回復プログラム「SWITCH」による治療を提供しています。

また、他の家族の対応が参考になりますので、ギャンブル依存症の家族の集いである「ギャマノン」に参加してみましょう。この家族自身の自助グループであるギャマノンの例会場は全国に130ほどあり、インターネットで検索できます。

ギャンブル依存症になると、日常生活をおくるなかで、ギャンブルのことがよく頭に浮かんできたり、ギャンブルをしていないと、“ギャンブルをしたい”という気持ちがどんどん大きくなって、その気持ちが抑えられなくなったりします。その結果として、本人に加え、家族等の身の周りの方の生活にも悪影響を及ぼすようになります。
ギャンブル依存症は約100人に5人の割合で存在し、決して珍しい病気ではありません。適切な支援や治療を受けることで、失ったものを取り戻し、回復することができます。
ギャンブル依存症は病気と認められにくく、本人の意志や性格の問題で自己責任と思われがちです。しかし、実は、ギャンブルにはまる「依存症」は、ギャンブルしか楽しめなくなったり、目先の快楽に飛びつきやすくなったりする、自分の意志では止められない脳の仕組みが出来上がっているのです。

当院のギャンブル依存症回復プログラムに参加された患者さんのうち、治療を継続される方は約60%、ギャンブル問題が止まっている方は約50%です。

ギャンブル依存症とは、娯楽で始めたギャンブルが、既に自分に不利益、有害な結果を生じていて、やめたほうがよいと考えることはできても、強烈な再体験欲求(渇望)により、自己制御できずにギャンブルを反復継続する状態を言います。

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