ギャンブル依存症になる原因は何か?

ギャンブル依存症は慢性で再発性の病気です。ですからギャンブル問題がなくなるかどうか、だけでなく、治療を続けられるか、ということも、とても大切です。

依存症は本人の心の弱さではなく病気の1つですから、ギャンブル依存症の人が自力で立ち直ることは、ほとんど期待できません。

①負けを取り戻す(負け追い)、これは重篤な症状で、取り返そうと考えることは、もはやギャンブル依存症になっていると考えられます。

こうした状況を受け、2020年度の診療報酬改定により、ギャンブル依存症の治療方法のうち一定のものにも、公的保険が利用できるようになりました。

また、ギャンブル依存症になっている本人が全く克服のための努力をしない場合には、突き放すことが必要な場面もあります。

そうすることで、家族ともどもギャンブル依存症克服に向けて対応することができる可能性が高まります。

ギャンブル依存症になる原因は何か?

本来、ギャンブルは勝っても負けてもその過程を楽しめるものです。一方、ギャンブル依存症となると、勝利したときのスリルをまた得たいと勝ちにこだわり、ギャンブルによる損失をギャンブルで取り戻そうとします。

ギャンブル依存症に苦しまれる方の中には、うつ病や不安障害、発達障害などの精神障害を同時にお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。精神科医による診療ではギャンブル問題を少しでも小さくするためのアドバイスに加えて、これらのような精神障害に対する治療も同時に行います。

次のような項目についてチェックをして、当てはまる項目が複数ある方はギャンブル依存症になってしまっている可能性があります。

ギャンブル依存症の人が孤独を感じないように、そばで支えてあげることは効果的です。しかし、ギャンブル依存症の人にお金を貸したり、借金を肩代わりしたりすると、再びギャンブルでお金を使いこんでしまうリスクがあるため、逆効果です。

ギャンブル依存症で作ってしまった借金は多額に上ることが多く、本人が自力で返済するのはなかなか難しいかもしれません(繰り返しになりますが、保証人になっていなければ、基本的に家族に返済義務はありません)。

当院には毎月およそ5~10名ほどのギャンブル依存症患者さんが新たに受診されており、(1)精神科医の診療、(2)ギャンブル依存症回復プログラム「SWITCH」による治療を提供しています。

家族が適切に対処し、ギャンブル依存症の治療を行っている専門機関の受診を勧めることで、治療できる可能性があります。また本人がギャンブル依存症が原因で借金を抱えている場合でも、「債務整理」をすることで、返済の負担を減らしたり無くしたりできる可能性もあります。

家族をはじめ身近な人のサポートが、ギャンブル依存症の解決のため役立ちます。家族にできる対処法は、主に次の3つです。

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