ギャンブルで人生終わった

なぜギャンブルが利益を生む商売として成り立っているのかを客観的に考えれば、競艇で長期間投資することがいかに危険な行為か理解できるでしょう。

ギャンブルを長期的な投資と考えると、必ず負けるシステムで不利な投資を強いられるギャンブルの世界に身を置くことにメリットはありません。

競艇により生活に支障が出始めた初期段階から、家族や友達に相談し客観的なアドバイスを受ければ、ギャンブル依存症の有効な対策になります。

自分の中でそれまで渦巻いてきたいろいろな思いが、一気に出てきたような感じでした。高校受験に失敗し、そんな自分を恥だと思って生きてきたこと。17歳のとき、母親が男を作って出て行ってしまったこと。酒飲みでギャンブル好きの父親のこと。やさぐれて生きてきて、唯一楽しめたパチンコで借金を作り、その挙句に網膜はく離になってしまったこと……。「何もかもおまえのせいだ、金を出せ」と父親を責めました。争いに耐え切れなくなった妹は家を出て行きました。

自分に正直になることに注意を払うようになると、「ここで正直になっておかないと後が大変だぞ」というタイミングもわかってきました。問題が小さなうちなら、解決していくのも早いのです。今はこの生活をなくしたくないし、このままギャンブルをやらずにできる限り続けていきたいと思っています。

三つめの理由は競艇レースがオンラインからも簡単に参加でき、常に競艇ギャンブルに熱中できる環境が整っていることです。
スマートフォンさえあれば時間・場所に関係なく投票できるため、気が付けば競艇で何レースも賭けて大きく損益を出しているケースが珍しくありません。

競艇が世間から「ギャンブルの墓場」と言われているのは、大きく3つの理由が競艇ギャンブラーの心理に強く作用しているからと考えられます。

施設でのリハビリは、思いのほか順調でした。仲間はみんな同じギャンブラーなので、それまで人に言えなかったギャンブルの話ができて気持ちが楽になったし、自分は1人ではないんだと思えたのです。けっこう楽しくて、あっという間に時間が過ぎていきました。1年半ぐらいでアルバイトを始め、数ヵ月後にはプログラムを修了して、一人暮らしになりました。

競艇は大きく稼ごうとすると、レース予想が格段に難しくなるギャンブルです。

2人目の男性は40代という人生の円熟期に競艇にハマったことで、ギャンブル依存症とうつ病を発症し日常生活に大きな支障をきたしたことを報告しています。
競艇によるギャンブル依存症が借金・離婚の直接的な原因となり、ギャンブルが幸せな生活を崩壊させることを教えています。

3人目の男性は重度の競艇ギャンブラーを自覚しており、新規層の安易な競艇参入に警鐘を鳴らしています。
ギャンブルに簡単に手に入る必勝法は存在せず、甘い見通しで競艇を始めてしまうと負け続けることで多くのものを失うことを身をもって実感しているようです。

当時、唯一話をすることができたのは、よく面倒をみていた中学の後輩だけでした。彼もギャンブル好きでしたが、真面目なところがあって、借金は作らず、地道に貯金もしていました。「それにひきかえ自分は」と情けない話をしても、「野沢さんは本当にしょうがないですね」と笑ってくれる。そんな最後の友人も、結局は裏切りました。その人がオープンした古着屋で働かせてもらったとき、レジにあった前日の売り上げをスロットに使ってしまったのです。

過度のギャンブルは脳内でドーパミンの分泌を加速させ、脳内神経伝達物質のバランスを崩すことが判明しています。

そもそも、ギャンブルっていうのは客が金持ちじゃないと運営側が儲からない。金持ちがたくさんお金を落としていってくれるから、胴元の利益があがる。

MRIを用いた研究結果で重度のギャンブル依存症患者は、背外側前頭前野の機能低下・背外側前頭前野と内側前頭前野の結合が弱いというデータが出ています。

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